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  • 相談所物語

2020.06.21

地上権で賃貸していた土地が、スムーズに現金化できずに悩んだ・・・話【NO.141】

 二郎(仮称)は、親から継いだ土地を、数ヶ所保有していた。
 所有権は母と二郎の二人だった。
 その母が、病気になり治療費が掛かり、やむを得ず
父から相続した土地を売ることにした。
 しかし、スムーズには売れなかった。

 今回の土地は「地上権」が付いていた。
 土地の所有は二郎達のものだが、建物は土地を借りている者の
所有だった。

 二郎は土地の「所有権」があり、自由に売買できますが、
建物が他人の所有物であり、しかも「地上権」が付いており、
買主に破格値で交渉された。
 買主にとっては、土地を買っても、地上権が無くなる迄、
安い「地代」しか手に入らないからだった。

 借地借家法では、賃借人の保護を目的とし、賃貸人(=地主)は
強い者と見做しています。
 地上権として建物の所有と認め、土地に貸借権を借地権として、
同じく扱い保護しています。
 そして、地上権の存続期間は、原則として30年と規定されています。

 又、地上権は物権であり、貸借権は債権であり、前者は譲渡ができ、
後者はそれができません。

 平成4年の借地借家法は、賃借人の保護が目的である為、
今回の例のような場合も、土地を保有する者は強者の立場と見做されます。

 その土地を売って治療費を捻出する為とは言え破格的な値段で
売らざる得なかった。

(参照)借地借家法2・3・9条 民法265・612条