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相談所物語

ある日、借家人がいなくなり、処置に困った・・話【No.177】

2017.06.16

 利夫(仮称)は、2棟のアパートを父から引き継いだ。
 サラリーマンだった彼は、そのまま経営を引き継いだ。
 そして3年が経った。

 ある日「アパートの一室に誰も住んでいないようだ」と
新聞屋さんから問い合せがあった。
 調べてみたら電話番号は聞いているものの繋がらず、
勤務先・保証人等も連絡が付かない。
 サラリーマンの利夫は途方に暮れ、市役所に相談に行った。

 不動産屋さん、司法書士さん、弁護士さん等、相談に乗って
くれますよと言われた。
 又、「自分で勝手に借家人の荷物を片付けたりしたら、犯罪に
なりますよ!!」とも言われた。
「えぇ!!」と利夫は驚いた。

「強制的な行為は法治国家がすべて国家機関として行う」事に
なっています。
 テレビでよく見る捜査令状が無いと他人の家に入れないのです。
自力救済は、事故・火災等を除き、法的には認められて
いない」のです。

 一旦貸した以上、契約が切れるまで借主の裁量権なのです。
 往々にして、間違いが発生するのが、貸主の建物の所有権と
借主の私物の所有権です。
「貸したら最後」という言葉がありますが、貸家は貸す為の
建物です。
 貸す人は、保証人を求め、保証人はその保証を求められます。

 平成10年1月1日民事訴訟法が改正され、明渡請求訴訟が
出来るようになりました。
 
 簡単な手続きをすれば、貸主の請求通り明渡が出来るように
なりました。
 しかし、自力救済は認められないことを貸主として認識して
いなければなりません。

〈参照〉民法98・民訴110・113

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