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  • 相談所物語

2020.06.21

2週間の海外旅行の間に資産が売却されようとした・・・話【No.155】

 静夫(仮称)は、事業に積極的な、いわゆるヤリ手の
青年実業家だった。
 美しい妻を得て家庭生活も事業も順調に発展して行った。
 10年もすると、社員30人を超えるまでになった。

 しかし、事業にも浮き沈みがあり、彼は今まさに荒波を
受けていた。
 好景気の時には社員の数は会社を潤すが、不況の時は
反対の影響を及ぼした。

 資産家の娘として妻は結婚する時、可成りの財産を
持っていた。
 あろうことか、妻が旅行の間に、妻の財産を担保に
借入をしたのだった。

 さて、かつてはあったような、妻の有する特有財産について、
夫が管理権を持つという制度はなくなり、妻の財産は
その代理権が無い限り、処分はできないのです。

 日常では妻の物は妻、夫の物は夫の物とすべて分けては
夫婦生活は出来ません。
 法律上の「日常の家事」とは、常識上の生活一般と判断
されます。
 衣料・食事・医療等々の出費は家族生活の必要経費
となります。

 不動産等の維持管理は別途出費を要します。
 妻の財産なら、妻の委任状を得なければ処分できません。
 その委任状が無ければ売却出来ません。
 夫と言えども権利外となり、仮に契約しても無効と
なります。
 夫と言え、妻と言え、財産は特有財産として明文化しておく
ことも大事かもしれません。

(参照)民109・110・791・792条