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  • 相談所物語

2020.06.21

建物を取り壊した時・・・の話【No.165】

 健一(仮称)は、15年程前、古い友人から
「知人が家を手放したがっているのだが、価格も手頃なので
購入する気はないだろうか?」と、相談を受けた。
 同じ市内なので貸家として管理するくらいは出来るだろうと
思い、平屋の中古住宅を購入することに決めた。

 そして15年が過ぎた。家賃も安かった為か、入居率も良く
元金はとれた。

 近くのアパートに住んでいる次男に子供が生れるのを期に
その土地を譲ることにした。
 平屋を取り壊しきれいに整地してあげた。
 設計士に依頼した図面も出来上がり、建築確認申請を役所に
出したところ、ストップがかかってしまった。
 その土地の登記簿を見たところ、まだ家が建ったままで、
しかも、購入した時には無かったそれ以前の建物まで存在していた。
 このままでは、家は建たないのだった。

 健一は、知り合いの土地家屋調査士に相談し、建物の滅失登記を
することにした。
 先日取り壊したばかりの健一名義の建物は自分の物なので、
取り壊し業者の協力もあり何の問題もなかった。

 しかし、問題はそれ以前にあったであろう建物の滅失登記である。
 所有者として記載されている女性の所在を探し出すのが難関であった。
 近所のお年寄りに尋ねても、解る人はいなかった。色々手を尽くし、
何とか問題を解決することができたものの、土地・建物を購入する時は、
慎重に、かつ土地建物取引業者に間に入ってもらう事で、トラブルを
解消する事も必要であると思ったのだった。

(参照)不動産登記法91,93、93-11、164条