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  • 相談所物語

2020.06.21

大家として、何処迄責任を負わなければならないのか・・・の話【No.167】

 一郎(仮称)は、父の相続で4室ある戸建貸家を引継いだ。
 サラリーマンの彼は、借家人に所有者の変更の連絡はしたものの
特に何の管理もなく毎月の家賃を受け取っていた。

 生存中の父は、借家人に対し、ゴミ出しの注意等何かと細かく
連絡を取り合っていたが、勤め人の一郎はアパートの管理迄気が
廻らなかった。

 まして「転貸していた部屋がある。」とは全く知らなかった。

 そして、運が悪いことに、その部屋が火事になってしまったのです。

失火ノ責任ニ関スル法律」では、燃えやすい木造住宅においての
責任は酷すぎるという事で、失火人は一般的には守られていますが、
不法行為があると判断されれば、そういう訳には行きません。

 今回「転貸」されていたのを、「父は知っており」契約書には
書かれていなかったとのことだった。

 借家人が、タバコ等について注意を受けていたとすれば、賃貸人
として、過失を問われる場は少ないでしょう。
 民法上の不法行為と「失火ノ責任・・・」とは別の問題なのです。
 大家を引継ぐとは物に付随する法律的・民事的・行政的すべて
その責任を引継ぐ事です。

 相続的には手放すことも一つの考えです。
 自分が管理できない物は売却するか、専門家に任せた方が
良いでしょう。
 この様なことの被告人にならなかったでしょう。

(参照)失火ノ責任ニ関スル法律・民400・700